加湿器にはいくつか種類があり、おおざっぱに沸騰させるスチーム式、フィルタに水を吸わせて効率よく水分を蒸発させる気化式、そして水分を霧状にして散布する超音波式。
スチーム式はポットでお湯を沸かせば済みますが、音がうるさく電気を食うので却下。超音波式は家が井戸水なので問題外。残るのが気化式。
私の一番嫌いなのが面倒な手入れ。気を抜くと雑菌とカビのパラダイスになってしまいます。
その次にランニングコスト。電気代と交換用フィルターです。どうせ頻繁に掃除しないといけないのに、専用の交換フィルターを買わなければ行けない。いつまで販売しているのかも怪しい。
そして、説明書で水道水を使えと言われても井戸水の場所では書いてあってもどうしようもありません。
洗濯物を部屋干ししても加湿はできますが、いつでも洗濯物があるわけでもなく、濡れタオルを毎回干していると生乾きの臭いがしてきます。何より見苦しい。
じゃあ見苦しくない加湿器を作っちゃえばいいじゃない、というのが今回の趣旨です。
洗濯物を部屋干ししても効果があるくらいですから、加湿する仕組みは簡単に作れます。外側は自由なのでインテリア的に良い感じにも作れます。小型でも全く問題なし。
私は夏でも冬でも扇風機やサーキュレーターでエアコンの空気を回しています。その風を手作りの加湿用具に当ててしまえばファンは要りません。
加湿器作りに用意するもの
今回はおおざっぱに仕組みを把握するために、バケツで作ってしまいます。
用意するもの
* 水を入れるバケツ(給水タンク)
* 水を受ける背の低いバケツ
* ナイロンタオルのようなもの(蒸発布)
* 洗濯ばさみ
これだけです。
私の場合は小型のバケツと使い古しのボディタオル、水を受けるバケツよりも背丈が低く容量が大きいものにしました。バケツとボディタオルを使っているのは洗いやすくて乾きやすいからです。
基本的な気化式加湿器の作り方
水を吸い上げたボディタオルに送風機の風を当てて気化式加湿器に仕立て上げます。専用の機械でも原理は一緒です。
- 水を入れたバケツと水を受けるバケツを並べて置く
- 水を多めに入れたバケツにボディタオルを浸す
- 水を入れたバケツからボディタオルの片側を出す
- 水を入れたバケツから最も遠い水受けバケツの縁までボディタオルで橋を架ける
- 水受けバケツの縁、水を入れたバケツの縁でボディタオルを洗濯ばさみで留める
- 風を当てると水が蒸発する加湿器の完成
これだけです。
ランニングコストになるフィルターは乱暴に使っても問題ないボディタオル、水をいれるタンクも洗いやすいバケツだけです。素晴らしい。
雑菌が気になったり水の入れ替え頻度を下げたりしたい場合は、水に漂白剤を少しいれておけば長持ちします。カビキラーをひと吹きでもいいですよ。ボディタオルに常に漂白剤が浸透するので、生乾きの臭いもしにくくなります。
どうなっているかの理屈
毛細管現象を利用して水を吸い上げ、余分な水を水受けに落としています。毛細管現象というと、タオルにトイレットペーパーを水につけると水を吸い上げるあれです。ただ、今回使った使い古しのボディタオルは繊維が荒くて水を吸い上げる力は弱いので、吸い上げた水が低いところに染みこんでいくようにしています。実際に単に上からボディタオルをつるして下を水に浸すだけでは、あまり水を吸い上げてくれませんでした。
橋を渡すようにしたのは風が当たる面積を広げるためです。
加湿効果は、風を弱で当てているだけで湿度が30%から50%まで上昇しました。かかった時間は2時間程度。実用として問題ありません。
手作り加湿器のデザインを考える
小型にして近くに置くもよし、それなりに大きくして加湿効果を高めるのもよしですね。形の条件は風通しの良い形、格子状にするみたいなことだけなので自由です。
例えば、小型のものを作る場合。三つに分かれるタイプの筆洗いを内部構造に使い、ケースにはバケツが倒れないように固定具をつけるなどの安全策をつけておく。水入れは水受けより高い位置にあったほうがいいので、ケース側で下駄を履かせる。蒸発布の面積を増やすために布を波状に垂らせるようにする、などでしょうか。大きいものならもっと単純ですね。
今回は使い古しのボディタオルを使いましたが、購入するのであれば水を吸いやすく乾きやすいもの、ついでに漂白剤に強いものを選ぶとよさそうです。