初めに断らないといけないのですが、私は英語がぺらぺらというわけではありません。ニュースとか映画はなんとなくしか理解できない。それでも、私は英語を話せる友人とそれなりに雑談しています。思い立ってからまともに勉強したのは半年ほど。その後は英語を話す友人とただ雑談していただけです。
そんないい加減な方法ではありましたが、綺麗な文法ではないにしても、それなりに会話自体はできるようになりました。初めは聞くのも話すのも書くのもさっぱりでしたが、ある事に気づいた瞬間からずいぶんと英会話力がついたのです。
簡単な雑談は中学生レベルで十分!だって日本語でもそんなに難しい話しないでしょ?
英語の検定といえばTOEICが有名ですが、よく数ヶ月勉強するだけで200点くらいスコアが上がったという話を聞きます。でも、満点が1000点近くのテストであっさり2割変化するって、試験としてどうなのかという疑問がある。
TOEICの試験は速度が早めです。読むのが遅めの人は、答えを流し読みしながら問題を聞かないといけないくらいで出題音声が再生されます。読みながら聞くのが苦手な人は相当練習しないといけません。でもそれ英語の勉強じゃないですよね。それが英会話力?そんな馬鹿な話はない。雑談くらいなら400点程度以下でもそれなりにコミュニケーションがとれます。
ブラジルやメキシコから留学して英会話学校に通っている人でも、英語の先生や他の国の人とものすごいぺらぺら話しているのに、問題を聞いて答える形式の試験では点数がすこぶる悪い人なんてざらにいます。でもそういう人はコミュニケーションの点数がものすごく高かったりする。
話している内容は、食事、恋愛、スポーツ、天気、旅行、いろいろです。しかし、経済や法律の話なんか普段はしません。
普段の会話に難しい言葉なんてそんなに使わない。わからなければ「それどういう意味?」って聞いて、その時から自分でも使い始めればいいんです。
英語が赤点レベルで苦手なので無理……なんてことはない
これを読んでいるのは日本人だと思います。同級生に古典や現代文で赤点を取っている人はいましたか?学年に一人くらいはそんな人がいたのではないでしょうか。でも、その人たちは日本語が話せます。普通にみんなと会話している。
つまり、「英語が赤点レベルで苦手=英語が話せない」とはなりません。文法がメチャクチャでも英語でコミュニケーションはとれます。日本人だってきっちり日本語の文法通りに会話をしているわけではないんですから。
単語だけは使う時に覚えてしまうしかありませんけどね。自動詞と他動詞を区別して覚えると、後々楽です。
自動詞だと、”I run”は「私は走る」。runは自動詞。”I run it”「私はそれに走る」では意味がわかりませんよね。”I run on a load”で「私は道の上を走る」とは言いますけども。
他動詞だと、”I give you this” は「私はあなたにこれをあげる」。giveは他動詞。”I give”では「私はあげる」では、何を誰にあげるのかさっぱりわからない。これが他動詞です。
まあそんな感じできちんと覚えておくと、後々覚え直さなくてすみます。私は適当すぎて覚えなかったので未だに調べることが多くなってしまいました。
変な発音は当たり前!訛りはネイティブの地域でも存在する
英語を話したいけど発音が下手糞で恥ずかしい。だから話せない。
いやいや、そもそも訛っていない人なんか世界中何処を探してもいないですよ。
日本では、北から南まで日本語を話していますよね。当然です。でも、沖縄、鹿児島、青森あたりの方言を完全に理解できない人がほとんどではないでしょうか。ニュースで話しているような標準的な日本語で話してもらっても、発音の違いなどで聞きなおすことが結構ありませんか。
じゃあ英語はどうなのか。英語でも訛りで聞き取れないなんてことはよくあることなんです。
英語は、ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸、アジア圏、世界中で話されています。広い範囲で使われているから便利。だから、英語が第一言語でないアラブでも、英語を勉強しに留学している人が沢山います。
さて、そんな広い範囲で使われていて、発音が統一されているなんてことはありえません。日本列島ですら理解できないほど方言が変化するんだから。
ネイティブ英語圏にもそれぞれの地域のなまりがあります。イギリスにはイギリスなまり、カナダにはカナダなまり、アメリカにはアメリカなまり、オーストラリアにはオーストラリアなまり、フィリピンはフィリピンなまりの英語です。
日本人は英語の発音が下手というのは間違いです。別に日本人が特別下手ってわけじゃありません。それぞれの国で下手な部分があります。日本人が話す英語は日本人なまりで当たり前なんです。LとRの区別がつけにくいのも日本人なまりでいいんです。
当然、なめらかで上手な人もいますが、そんな一部の人だけが英語で仕事しているわけではありません。ノーベル賞とってる偉い先生も国防大臣も、日本なまりの英語で世界と渡り合ってスピーチしてるんです。ただ話したいだけで、いい加減な発音の英語を話して何が悪いってこともありません。
訛りの実例ですが、アラブ系のクラスメイトはRの発音が全部”LU”になっていました。
英語”fortune” カタカナ”フォーチュン” が、その人の発音では “フォルテュン” になっていました。で、その人、いくら練習しても “フォーチュン” にはならないんですよ。めちゃくちゃユーモアがあって、コミュニケーション力抜群で、文法も作文もリスニングも完璧。なのに、そこだけは変わらない。スペイン語圏の人も似たような感じの人はいました。でも困ることなんて全くない。
いまどき世界中を人が飛び回っているんです。どこの町に行っても、訛ってたところで誰も馬鹿になんかしません。その人の発音なんか、最低限理解できればいいんです。
どのくらい話せれば英語が通じるのか
会話でなければ、片言どころか単語でも通じます。何よりも訓練するべきなのが、文章を作るのに慣れること。これも日本にたとえて考えてみましょう。
英語圏の人が道を尋ねてきたとします。
「○○えき、いく、どこ、ホーム」
これで大体わかりますよね。
「どれ、○○えき、ホームですか?」
だったらもっと上等です。
「○○えき、いきたいです、どのホームですか」
これなら完璧ですね。これでわからない日本人に会ったことがありません。
最後の例くらい話している人がいたら、おっ、この人は日本語そこそこ話せるのかな、と思いませんか?でもこれ、英語圏なら保育園児でも話せる内容ですよね?
興味を持って話を聞いてくれる相手ならこの程度でもじっくり聞いてくれます。あとは自分がもどかしく感じなくなるくらい速度を早くしていくだけでいい。わからなければ「相手にこれってどう言うの?」と尋ねてみれば、実用的な内容を教えてくれますしね。
リスニングのトレーニングしても全く聞き取れない部分はそもそも発音していない
ネイティブの人の言葉が早くてまったく聞き取れない。わかります。
Hey, man! It’s good day to go out, very fine. I’m going to go to the temple today. You know…..
早い!
そこで魔法のコトバ、プリーズスピークスロウリィ。
It’s…….good day….to go out….and very fine… I’m gonna go to
違う、そうじゃない。一つ一つの単語がわからないんですよ!肝心なところが聞き取りでないのに、文章に書いてもらうと理解できる。私が聞き取れないのは “to go out” や “and very” や “I’m going to go” とかなんだ!となる。私はなりました。
“I’m” とか “to” とか “go” とか全く聞き取れない。実はこれ、当たり前です。
そもそも単語の通りに発音していませんからね。そうじゃないと「ほったいもいじるな」が “What time is it now?” として通じるわけがない。 “What” が「ほった」、 “time” が 「たいも」、 “is” が「いじ」、 “it” が 「じる」、 “now” が 「な」、といったところでしょうか。
合体させると「ほったたいもいじじるな」。
……何かおかしいことになっていますが、何もおかしくはないんです。かぶってるところ、そもそも発音をしていないんですよ。発音してないんだから聞き取れるわけがない。
私的には「おゎだいみじっなぅ」に聞こえるんですけどね。
このあたりの法則性はリチャード川口先生の本を読んでみてください。記事の下にリンクがあります。お世話になりました。
で、話は戻りますが、発音してないのに何でわかるの?という話になるわけです。
ここで日本語に戻りましょう。旅行者が関西で話をしていたとします。断片的にこんな言葉が聞こえました。
「 のうはどこ とま たの?」
「きの はお さかの てるに まった」
はい。この人が「昨日はどこに泊まったの?」「昨日は大阪のホテルに泊まった」と、何となく話の流れがわかりませんか?普段からみんな正確に聞き取れていなくても、今までの経験から頭の中である程度補間しているんです。
こんな実験にもあるとおり、脳が文章を補完修正するのは普通なんです。
URL:文字の最初と最後だけあっていればめちゃくちゃな文章でも読めてしまう
発音してなくても頭が慣れていればわかるようになる。
ちなみにカナダの友人はイギリスなまりが格好良いと話していました。例を出してもらっても、文字のまま読むのがイギリス訛りなのかな程度にしかわからなかったのですが、慣れているとすぐにわかるそうです。
とっさに文章が出てこない
雑談するのにきれいな文章が出てこない。よくわかります。
Where are you from?
I 過去形のcameで、 from …えーっと
という感じで、文法は……と考えてしまう真面目さは勉強するのにとてもいいと思います。でも適当な雑談にそこまでしなくていいです。
こんな会話、雑談でします?
「今日は大阪に行こうと思うんだ」
「昨日はどこに行っていましたか」
「奈良に行って沢山の鹿を見てきました」
それよりもこちらの方が自然ですよね
「大阪に行くんだ」
「昨日は?」
「奈良。鹿が沢山いたね」
こちらで十分通じますよね?英語でも一緒です。
資格として必要な人はもちろん、ビジネス系の丁寧な英語が必要な人はそのまま正確な英語を覚えないといけませんけれどね。文法やニュアンスがしっかり抑えていくと信頼感が違います。
でも、軽くコミュニケーションを取るくらいなら、そんなにかっちり勉強しなくても十分楽しめるんですよ。
語学留学で英語が話せるようになる?
英語の勉強をするだけなら日本でもできます。今なんかは話せるようになるのに海外に行く必要はありません。適当なアイリッシュバーにでも行って声をかけるなり、ワンレッスンいくらのスカイプの英会話教室で雑談して通じるかどうか試せば良いんです。
ただ、留学先の英会話学校に通ってコミュニケーションを取るようにしていると、各国の英語を勉強している友人ができるので楽しくなってきます。面と向かって会話するのはやはり違います。目の前に英語で話す動機ができるので、会話力は伸びます。
友人作りにはFacebookアカウントを作っておくと便利です。Facebookアカウントを持っていると、知り合いになった人と連絡を取る手段になって便利です。旅行やレストランに行った時に投稿する程度には慣れておいたほうが何かと使えます。投稿を英語で書くと、英文に慣れる練習にもなりますしね。
留学はどのくらいの期間したほうがいい?
語学留学するなら最低6ヶ月したほうがためになります。最初からある程度気負い無く話せるのでなければいいのですが、3ヶ月以下だと全く何もコミュニケーションがとれないまま、ただ街中で過ごして帰国なんてことになりかねません。
私の場合、最初の3ヶ月は聞き取りが全くできなかったのですが、それからはだんだん上達がはじまった感じです。6ヵ月くらいでバスや電車で軽く挨拶や当たり障りの無い天気や買い物先の話をするくらい。そのあたりから適当に雑談を振ったり冗談を飛ばしたりするようになってきました。
最後に
中高校生時分、私は頻繁に英文法赤点すれすれの点数を取っていました。今でも下手です。今から考えると授業の雰囲気が苦手だったのも一つの原因でしょう。楽しくないものを覚えるのって苦痛ですしね。
幼児教育で英語を勉強させることも多くなってきましたが、物心ついてから楽しく使う機会がないと嫌になってしまうかもしれません。まずは如何に楽しいかを教えられればいいですね。
英語を話す友人とお互いに通じていない会話をしていれば、その友人のそのまた友人とも話してみたい、遊んでみたい。そんなモチベーションも勉強には必要ではないかな、と。
途中で紹介したリチャード川口先生のサイト「RK English」です
本人が苦労した体験から、発音で日本人がつまづくところを解説されています。発音に悩んでいる人は一度目を通してみてください。目からうろこが落ちるかもしれません。