親が子供に言ってはいけない言葉「お前には無理だ」

何気なしに使っている言葉が後々の枷になっていることがあります。特に親が言う「お前には無理だ」はとても重い。特に小さい頃にこのような言葉を言い放つ親と、その子供の関係は冷え切ってしまうかもしれません。

「お前には無理だ」の理由を省くととんでもないことに

「(今の)お前には無理だ」なのか、「(よく知らないけど)お前には無理だ」では大きく話が違います。

前者なら心の籠もった忠告です。無理な理由がわかれば何とかできるかもしれませんし、別のことができるかもしれません。現状を知ることで、新たな道が開けることもあるでしょう。身近な他人から見た自分を知ることができる良いチャンスです。理由を論理的に話せば、ものを考える力が身につくことでしょう。

しかし、後者の場合は何も生み出さないどころか、悪影響しかありません。明確な理由がないため、どうしてそういう結論になったのかがわからない。「家で生活を握っている親が無理だと言ったんだから無理なんだ」という結論に落ち着くしなかい。そこに社会的な論理も思考もありません。

なにより一番いけないのは、知りもしないことを無理だと潰しにかかるその態度です。自尊心のために安全圏から口出ししているなんてことになっていれば最悪ですからね。

否定することで根性を試しているという人もいますが、その前に自分で考える力を養うような育て方をしていたかが重要です。

もちろん、将来未来永劫にわたって無理だと思えることは沢山ある。諦めるならその程度という意見もあります。でも、わざわざ素人の基準で潰しにかかることはありません。真剣に一緒に考えていれば、どうすればいいのか大人の助言を与えられる。それでも駄目なら、本人も助言も間違えていたか、努力が足りなかっただけのこと。それもまた自信に繋がるでしょう。

小さい子供が何かに興味を持つのは、親にも子供にも幸せなこと

小中高校生までに何かに興味が持てたら幸せです。そんな子供を持てた親は幸せです。無理だと言われても、何くそと思えた人は幸せです。じゃあどうすればいいだろう、と考えられた人はもっと幸せです。一緒に考えてくれた人がいたら最高です。

どんな小さなことであっても、それに向かって努力した、面白いと思ったことは生きていく上で心を豊かにしてくれる。走り幅跳びで活躍したい、絵が上手になりたい、あの人と深い仲になりたい、お花屋さんになりたい、アイドルになりたい、有名人に会いたい、なんでもいい。その当時に何か行動していれば、その分野に関しては一流になれなくとも、心の糧になります。

その気持ちに、無理だと蓋をしてしまうと、その気持ちに価値を見いだせなくなってしまいます。そしてそのうちどんな気持ちなのかを忘れてしまう。そして、そう思っていた時の気持ちが思い出せなくなります。これは一生のうちに長く影を落とす深刻な事態です。興味の持ち方、興味とのつきあい方がわからなくなってしまう。表向きは普通に見える、ただなんとなく生きているだけの、人形のような生活が待っています。そこでつまずけば、もう起き上がるだけの理由がなくなってしまっているかもしれませんよ。