ハウスダストアレルギーの天敵であるダニを退治するには掃除機も乾燥機も日干しも必要ありません。
今回の方法は簡単にどの家庭でもできる退治方法で薬品も使いません。
ただし、洗濯マーク無視で生地を傷める方法なので、使い古しをダメ元で使い続けるつもりの人限定です。
間違いだらけだったダニ退治
最近はダニについてきちんとした情報が出回ってきました。今までの常識が間違えていたという悪い方で。
一般的な対処方法は以下の3つです。
- 日干しする
- 洗濯する
- 掃除機をかける
これらの方法をダニを死滅させる前に行っても、効果が薄いか全く意味がありません。
これで取り除けるのはアレルゲンであるダニの死骸や糞であって、ダニそのものではないからです。
アレルゲンを取り除けるのならいいじゃないか、という考えもあります。
確かにその場だけで考えるのならいいんです。具体的には、毎日こういうことができるならですね。
どういうことか。
ダニを全滅させないと対処の意味がない理由
テレビに出てくる専門の人は、ダニは30匹いたら一週間後には何百匹に増えると言っています。研究上はそうなんでしょう。
実際の環境ではそんな生優しい増え方をしていません。
普通の対策をしていても布団全体には最初から数千のダニが生息しているのが当たり前です。それが30匹が何百匹に増える勢いで増える。
ということは、すぐに数万どころか数億まで増えるのも時間の問題。そしてアレルゲンであるその死骸や抜け殻、糞はその何倍もあります。
重ねて言いますが多少の対策ではなく、ほぼ全滅状態に持って行かないと意味がありません。
今まで一般的だった布団の洗濯などは、布団についた汚れや皮脂、ホコリを落とすことでダニの増加を抑制するというものです。
ですが、増えてしまったものはなかなか減りません。
ダニ退治に効果がない日干し
日干しはカビが生えないように湿気を飛ばして軽くホコリを払うための作業であって、ダニ退治ではありません。
ダニが死ぬまで居心地の悪い場所にいるわけがありません。日光に当たって居心地が悪くなれば、生地の内側に潜り込んだり、日の当たっていない場所に移動します。
湿気が飛べばダニの活動が鈍りますが、退治はできません。
ダニ退治に効果がない洗濯
ダニは水にも強い生き物です。それに洗剤程度では死にません。抗菌や殺菌の洗剤はあくまで菌を退治するもので、動物であるダニを退治できるものではありません。
生きているダニはしっかりと繊維に捕まるので、水流で流れることもありません。
洗濯で洗い流せるのはアレルゲンであるダニの死骸や糞のみです。
洗った直後にアレルギー症状が収まることがあっても、すぐに死骸や糞まみれになります。
これもダニの餌となるダニの死骸や糞、ホコリや皮脂を取り除くことでダニが増えるのを抑制する作業です。
洗濯は強力な殺虫成分が使えればいいのですが、人間の体にも悪そうですし、使い道が違います。
ダニアースとかを直接寝具に使ったりすると顔に近い分臭いが半端ない上に卵には効果が微妙なので、卵が孵る周期に合わせて定期的にしておかないと減りにくい。
ダニ退治に効果がない掃除機
正しい方法で掃除機をかければ、日干しや洗濯よりは効果があります。
しかしこれで吸い込めるのも、アレルゲンであるダニの死骸や糞が主です。
アレルゲンを生み出す生きているダニを多少は取り除けるものの、あっという間に元に戻ってしまいます。
これもダニの餌となるダニの死骸や糞、ホコリを取り除くことでだにが増えるのを抑制する作業です。
毎日なんてやっていられないので、大本のダニはどんどん増えて、アレルゲンも増えていく。
ちなみにダニ対策をうたっている布団クリーナーは意味ありません。
よーく紹介文を読んでいると**消費者の誤解を招く表記で買わせようとしています。
例えば、布団たたき機能(叩いたらアレルゲンが細かくなって悪化する)とか、紫外線殺菌機能(菌は死ぬかもしれないけどダニが死ぬとはいってない)。強力な吸引力(ヘッドの吸込み口が形が小さくなれば吸引力は上がるので普通の掃除機ヘッド変えた方がいい**)。そんな感じです。
使ってみたらゴミが沢山採れたように見えるかもしれませんが、それはほぼ全部とれちゃいけない布団や毛布の繊維です。
要はダニ退治をしてからであればいい
ではどうするか。
ダニを抹殺してから今まで通りの対策を行えばいいんです。
死滅させたダニはただのアレルゲンなので、どれでも効果があるんですね。
アレルゲンを増やす生きているダニがいなくなるので、再度どこからかやってきて増えるまで効果も長持ちします。
テレビでよく紹介されるダニ対策は乾燥機
ダニは50度~60度なら30分、60度なら即死します。コインランドリーに持って行って一時間くらいかければ死滅しますし、その後に洗濯すればベストです。卵もゆで卵というか焼き卵になるので問題ない。
でも大きなコインランドリーがある場所に持って行くの面倒くさいんですよね。
お金も結構かかります。車で持って行ける人ならそれでいいんですが。
家で高温が使える場所はお風呂
家で高温にできる場所と言えば乾燥機かお風呂。
でも布団を入れられるような乾燥機がある家なんてなかなかないでしょう。
ということで放置しやすいお風呂につけ込むことにしました。
温度は浴槽や放熱に配慮して60度に設定し、布団と毛布を放り込んでいざ蛇口をひねる。捻る蛇口じゃありませんけど。
ただ、布団や毛布などの耐熱温度はオーバーする可能性が高いのは覚悟してください。もう使って長いから駄目だったら買い換えるくらいの気持ちでやりましょう。
欧米の布団やシーツは乾燥機に入れるのが大前提になっているので、耐熱性が高いことが多いです。買い換えるときはこれらの耐熱性の高い寝具を選ぶのがおすすめ。
あとはある程度時間をおいた後、お湯を抜きながら浴槽の縁にでも布団や毛布を引っかけてある程度水抜きをして洗濯します。
洗濯機に入るようなら普通に洗って、入らないようなら浴槽で踏み洗いです。
熱湯ダニ退治をやってみた結果
最近になって始まっていた寝る直前のくしゃみが止まり、実に快適。ただ、結構な重労働で1日仕事になります。
敷き布団はかなり乾きにくいので、1日で済ませようと思うなら布団乾燥機と空気を通すための台が必須です。だいたい6時間くらいで乾燥します。
一気にやった方が他の布団にダニが移らないので今回はすべて同時に終わらせましたが、敷き布団くらいはコインランドリーに持って行っても良かったかなと思っています。
実際にやる方は色移りと、染みこんだ熱湯が熱いのでそこだけは気をつけてください。
洗濯機にお湯を入れる方法もある
洗濯槽のカビ退治と同じように、洗濯機に毛布を入れて、お湯を入れる方法もあります。
その場合は蛇口から一時的にホースをつなげるDIY的なパーツ知識があった方が楽です。
桶にお湯を入れて毛布を洗えるくらいまで往復するなんてやりたくありませんからね。